平成29年度、最初のCIT講習会は、「観察による歩行分析」の翻訳者である国際医療福祉大学の山本澄子先生と広島国際大学の月城慶一先生のお二人をお招きし、それぞれの視点から歩行分析についてご講義をいただきました。
午前中は、山本先生より力学的視点から歩行分析についてご講義していただきました。
前半は、床反力や関節モーメントなど力学の基礎をわかりやすく解説していただきました。
その上で観察による歩行分析にも用いられている4つのロッカーファンクションを紐解いていただきました。
歩行を理解する上で非常に大切なロッカーファンクションを理解するにはテキストを読むだけでは難しいと思います。
しかし、力学的視点からロッカーファクションを捉えることでより理解しやすいと感じました。
さらに具体的な3次元動作解析装置のデータや動画、グラフ、模型を用いて健常歩行と片麻痺者の歩行を比較しながら明解に解説していただくことで歩行分析のためのエッセンスを沢山得られたと思います。
また、山本先生が先日リハ医学会で発表された最新の研究結果もご紹介していただきました。
歩行分析というテーマでしたが臨床現場で治療・介入にも生かせる内容であったと思います。
午後は月城先生より「観察による歩行分析」の著書でも紹介されているランチョ・ロス・アミーゴ方式の歩行周期の相分けを用いた歩行分析について、その基礎をご講義していただきました。
前半は歩行周期の用語と具体的な相分けのポイントや関節角度を受講生と確認しました。
受講生の方々は、歩行周期について学生の頃に学ぶ機会があったと思いますがテキスト読むだけでは分からない歩行分析の大切なポイントを確認出来たのではないかと思います。
そして、後半は3症例の動画をみながら実際に歩行分析のグループワークを行いました。
臨床で遭遇する機会が少ない症例の歩行分析でしたが、受講生の方々は、的確に逸脱運動とその介入方法を発表されており、今回の講義を通じて、多くの歩行分析の知識を習得することが出来たのではないかと感じました。
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