「明日から使える徒手的呼吸理学療法手技-基本から応用へ-」
令和02年02月01日(土)
今年度1回目は満員御礼でありました呼吸理学療法のトップランナーである昭和大学大学院保健医療学研究科呼吸ケア領域教授の宮川哲夫先生を今年度再度お招きしてご講義頂きました。
今回は前回の内容よりもブラッシュアップされ、基本的な評価法からアプローチ方法に加えて、応用としてバッグバルブマスクを活用した排痰方法まで演習が行われました。
午前中は解剖学に基づき、肺の位置関係から肺区域の理解からスタートしました。その後、触診や聴診、打診、聴打診を中心に実技を踏まえながら行われました。触診では肺の動きの左右差や呼吸補助筋の活動、動きのタイミングなど評価していき、聴診では気管呼吸音、気管支呼吸音、肺胞呼吸音などを聴き比べ、摂食嚥下時の聴診ではどうなっているのかなどを学んでいきました。打診・聴打診では心肥大の有無や胸水の有無の確認などを行いました。また、呼吸の生理学から酸素療法の適応や気道クリアランスの生理学、排痰のメカニズムや嚥下のメカニズム等も学び呼吸のフィジカルアセスメントなど呼吸理学療法に必要な評価を実技中心に講義が行われました。
午後は午前中に評価法を学んだところで呼吸リハビリテーションの実際というところで、排痰手技であるバイブレーションやスクイージングのほか呼吸介助法、徒手胸郭伸張法、呼吸筋・嚥下筋トレーニング、呼吸筋ストレッチなどを学び、疾患別にもCOPDや神経筋疾患、喘息発作や嚥下障害に対する呼吸理学療法を学びました。そして、バッグバルブマスクを使用した排痰法も演習が行われました。痰が詰まり無気肺となった方を改善させるために有効な手段と一つとして紹介され、ほかの講習会ではなかなか学べない技術に受講生の皆様も興味津々だったようでした。
毎回ですが、必ず、受講された先生方一人一人に丁寧に手ほどきを宮川先生よりいただきました。受講生の方々からは柔らかいのにしっかりと呼吸がしやすくなる先生との触れ方の感覚の違いを実感されていました。実技ではアシスタントとして毎回、杏林大学の一場友美先生にお力添えいただき宮川先生同様に一人一人丁寧に手ほどき頂きました。今回もまた満足度の高い講習会になったかと思います。
御参加頂きました先生の方々誠にありがとうございました。
本日は講習会前に宮川先生にはインタビューをさせていただいております。先生が理学療法士になったきっかけや呼吸理学療法に携わるきっかけ、先生が考える理学療法士とは、そして今後の展望など熱い話をお聞きしております。
近日中にホームページへアップしていきますので、ご期待ください。
また今後ともC.I.Tをどうぞ宜しくお願い申し上げます。
新村 竜洋