2022/3/20(日)
『姿勢から介入する摂食・嚥下リハビリテーション』
講師:内田 学 先生
東京医療学院大学
保健医療学部リハビリテーション学科 理学療法専攻 准教授
弊団体講習会にて初めて、理学療法士として摂食・嚥下リハビリテーションのスペシャリストである東京医療学院大学の内田学先生にご講演をいただきました。先生は摂食・嚥下リハビリテーションは歯科医師、管理栄養士、言語聴覚士等の専門職だけが介入するのではなく、理学療法士も多職種と連携して同じ目標にチーム一丸となってそれぞれの役割を果たすことが重要だと考えておられます。
特に理学療法士は姿勢・動作を改善する役割を担っており、今回、内田先生には『姿勢から介入する摂食・嚥下リハビリテーション』というテーマでご講義をして頂きました。
講義開始は摂食・嚥下は口腔機能だけをみるだけではなく、姿勢・呼吸・嚥下は三位一体であるということ、子供の発達と高齢者を比較しながら姿勢保持・手の操作+嚥下の重要性を体幹の安定性や重心の位置をキーワードにお話し頂きました。
講義が進んでいく中で、オーラルフレイルに対する早期介入の必要性や舌圧と握力等の相関性、相対的喉頭位置によって嚥下の難しさ、筋連結のディープフロントラインによる嚥下とのつながりなど姿勢が摂食・嚥下には重要だということをお話し頂きました。また、講義後半は多職種連携の実際としてどのようなアプローチを各職種が介入していくのか実際の症例を脳卒中ケースとパーキンソン病ケースを通して、摂食行為を支えるチームとして理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の各役割とアプローチ方法のお話を頂きました。
内田先生のご講演をお聞きして、改めて姿勢の重要性を感じて、どの職種がどのようにアプローチしていくのか、漠然としていた摂食・嚥下リハビリテーションの介入が、明日からは明確に介入できるようになった受講生の方々も多かったのではないでしょうか。
ご講演を頂きました内田先生をはじめ、ご参加頂いた受講生の皆様、本日は誠にありがとうございました。来年度も内田先生にはご講演を頂く予定となっております。今回、受講された皆様は、臨床に戻り摂食・嚥下リハビリテーションに介入して、また来年も臨床の疑問を持ってご参加いただければ幸いです。
今回が今年度最後のC.I.T講習会となりましたが来年度も魅力的な講習会を企画して参ります。今後とも皆様のご参加をスタッフ一同、心よりお待ちしております。今後とも弊団体をどうぞ宜しくお願い申し上げます。
理学療法士 新村 竜洋